ID 2714
ユニット名 【守護鳥】シームルグ
CV ???
レアリティ ☆6
最大Lv 99
タイプ 古獣
属性
HP 8918 3000 11918
攻撃力 1171 200 1371
防御力 1606 400 2006
スピード 2593 890 3483
リーダースキル 遺跡で待つ鳥
水属性ユニットの攻撃力を40%アップ
フォーススキル1 守護翼の鼓舞
Lv. 10 HP25%消費し、味方単体の攻撃力を3ターンの間78%アップ。
CT 3
フォーススキル2 青翼の歌
Lv. 10 味方全体のHPを46%回復。初期CT3。
CT 3
特殊能力 闘争本能[強]
主な入手方法 通常進化
進化・契約前 【小翼】シームルグ
通常進化
進化素材
幻獣契約1 【地覆う翼】シームルグ
契約素材 【怨念】アンドロマリウス×1、【闇の誘手】レギオタズマ×1、【時の使者】クロノグスタ×1、【邪狼】フェンリル×1、100000ゴルド
幻獣契約2
契約素材
幻獣契約3
契約素材
幻獣契約4
契約素材
幻獣契約5
契約素材
実装日 0年0月0日
ユニット紹介 1人の老人が杖をつきながら遺跡へ向かっている。
かつて兵士だった老人の手や脚は
少しの力を入れれば折れそうなほど
やせ細っていた。
家族からは馬で送る、と言われたが
老人はそれを断った。
自分自身の足で向かわなければならない。
これは自分に課せた罰でもあるのだから、
誰かの力を借りるわけにはいかなかった。

少し歩いては立ち止まり息を整えては再び歩きだす。
力ない老人にしては幸い工程を何度も繰り返した。
一歩一歩踏みしめながら歩く老人の姿は
まるで聖地へ向かう巡礼者のようだった。

出発時、顔を出し始めていた太陽が
遺跡に到着することにはすでに真上まで登っていた。
辺りを見渡し目的の者を見つけるとそっと近づく。

『……実に、良い天気ですな。
 空の青さは昔と何一つ変わらない。』

返事はない。
当然だ、相手は幻獣なのだから。
しかし幻獣は答えを返すように閉じていた瞼を開け、
老人をまっすぐと見つめた。

『ひとつ昔話を聞いてはくれませんかな。
 なに、お時間はそれほどいただきません。』

と言いながら老人は杖を己の横に置き、
膝をつくと幻獣と向き合った。

『ある男の話です。
 その男は昔から腕っぷしだけが自慢でしてね、
 兵となり、小隊長にまで上り詰めました。』

幻獣は何も返さない。
ただ老人の語る記憶にじっと耳を傾けている。

『その時仕えていた王は戦場を縦横無尽に駆け、
 御一人で敵を薙ぐ、それはそれはお強い方でした。
 ……その王が崩御された後。
 新しい王に仕えることになったのですが……。』

老人は一度口を閉ざし俯いた。
この先は家族にすら言ったことのない、
長年目を背け、蓋をしていたもの。
それに再び目を向け、今更蓋を開けるなど
老人にとっては今でも容易ではないのだ。
だが閉じたままにしておくわけにはいかない。

『……次に王になったのは娘でした。
 先王とは比べられないほど、いえ。
 比べることすら烏滸がましい、ただの子供です。』

一度も剣を握ったこともないであろう細い指。
自身より小さな背中。威厳のない風格。
今でもよく覚えている。

『強い国の象徴たる王がこんな娘か、と。
 あの時は虚しさで心がいっぱいでした。
 空にいた時より危険が多い地上に降りた
 我々には強く導いてくださる方が必要なのに、と
 嘆きもしました。あんな娘より自分の方が強い。
 そう驕りました……でもそれは間違っていた。』

そこまで言うと老人が顔を上げた。

『あの時。ここに幻獣が押し寄せた時。
 男はここに残って戦うこともできたのに。
 市民の避難を頼んできた娘の言葉を無視して、
 戦うこともできたというのに。
 男は与えられた逃げ道を選んだのです。
 自分より弱く頼りないと
 罵った娘の背に隠れたのです。
 ……本当に、情けないことです。』

そこで老人の話が止まる。
幻獣はただじっと見つめるだけだった。
地に咲いた一輪の花が風に揺れ踊る。

『あの娘の剣、力はたしかに劣ったかも知れない。
 だがあの娘の心は、男より強かった。
 それを、あの時ようやく気づいたのです。』

老人が膝をついたまま、深々と頭を下げた。

『罪を犯した男は、きっと苦しみながら死ぬ。
 男は……わしは、それが恐ろしいのです。
 そしてその苦しみから逃れたいがために
 許しを得ようとしている。
 どうか……わしを罰してください。
 白き星獣のあなたにわしを罰する資格が……。』

その先の言葉は老人の嗚咽でかき消された。
地に顔を伏せて老人は子供のように泣き続ける。
幻獣が動く気配はなかった。
老人は幻獣のまなざしを背に受け、
許されたい心で一心に頭を下げ続けた。

ふわり、と幻獣が動く気配。
恐る恐る老人が顔を上げると、
幻獣の大きな翼が自身に覆いかぶさっていた。
まるで自身を労るように。
何かから守ろうとするように。
幻獣の意図はわからない。
だが老人はそれを許しと受け取ったのか。
老人は手で顔を覆い、再び嗚咽をもらした。

数日後、老人は家族に見守られながら空へ帰った。
いつもしかめっ面を浮かべていた老人の死に顔は
別人に思えるほど穏やかなものだったという。

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