ID 2541
ユニット名 【蝶の姫君】シセリス
CV 山岡 ゆり
レアリティ ☆5
最大Lv 70
タイプ ソーサラー
属性
HP 4005 2000 6005
攻撃力 1890 860 2750
防御力 535 600 1135
スピード 1737 710 2447
リーダースキル 魔術練習
[火属性かつ先制]持ちユニットのスキル攻撃力を55%アップ
フォーススキル1 [火]基礎魔術
Lv. 7 火属性の181%単体攻撃。防御力無視。HP最大なら威力4.0倍。
CT 4
フォーススキル2 [火]応用魔術
Lv. 7 火属性11%の16~20回連続攻撃。防御力無視。HP最大なら威力4.0倍。初期CT3。
CT 3
特殊能力 先制 / 再生[強] / 樹属性耐性 / [強]重戦士キラー
主な入手方法 セレクトチケット
進化・契約前
通常進化 【仄光の女王】シセリス
進化素材 大帝粒×30、紅帝石×10、紅帝晶×5、神帝晶×1、200000ゴルド
幻獣契約1 【羽化する炎】シセリス
契約素材 【植竜】ヴィノサウロ×3、【紡ぎ手】パシタラネア×1、【破者】ザファル×1、【剛斧】ミノタウロス×1、200000ゴルド
幻獣契約2
契約素材
幻獣契約3
契約素材
幻獣契約4
契約素材
幻獣契約5
契約素材
実装日 2020年5月7日
ユニット紹介 それはシセリスが初めて魔術を使った時の記憶。
ある日、指先に灯る小さな小さな火を
父に見せたくて急いで執務室へ向かった時のこと。

母を早くに亡くしてからというもの
仕事に没頭するようになった父。
父の邪魔にならないよう、滅多なことが無い限り
執務室には近づかないようにしていたが、
ファラネアでは稀有な魔術師としての素養があると
判明し気持ちを抑えきれなかった。

これを知ったらお母さんが元気だった頃のように
お父さんに褒めてもらえる、関心をもってもらえる。
お父さんの役にたてる。
抱き上げて、肩車をして、喜んでくれる。
淡い期待を胸に執務室へ駆け込んだのだが。

『お父さん、これみて!
 まじゅつがつかえたの!』

シセリスの顔を見た父の顔が一瞬強張ると、
つ、と視線を机上の書類へ戻した。
そのまま、そうか、と短く声を発した父。
その反応にシセリスも自身の興奮が少しずつ
静まっていくのを感じた。

執務室に気まずい空気が漂う。
指先の火は今にも消えそうに揺れている。
あまりにも予想と異なる父の反応に
シセリスも居心地悪そうにうつむく。

父はちゃんとこの火を見たのだろうか。
私はちゃんと魔術が使えるって言えたのだろうか。
興奮するあまり言葉を噛んでしまったのだろうか。
仕事に集中するあまり、父の耳にちゃんと
届かなかったのかも知れない。
不安を押し殺し、顔を上げ言葉を紡いだ。

『ほらみて、おとうさん!
 ほんものの火なんだよ、これ……。』

一歩、父の元へ近づこうとした時。
父は書類から目を離さずに告げた。

魔術を学びたいのなら、遊学に行くといい。
ウィスクム国の王に親書を送っておく。

どこまでも突き放す、温かみのない言葉に
シセリスは目の前が真っ暗になるような感覚を覚え
た。
自分の中にあった疑念が確信になった瞬間だった。

父が自分を避けているのは、
自分を見てくれないのは多忙だからだ。
自分に原因があるわけではない。
心に芽生えた疑念から必死に目をそらしていたのだ
が、この日の出来事が決定打となった。

思い返せば父が自分を避けるようになったのは
母が亡くなってからだ。
そういえばふと耳にした侍女の話だと
母が床に伏せるようになったのは
自分が生まれた直後から。
産後の肥立ちが悪かったから……それはつまり
自分が生まれたから母は亡くなったということ。
自分のせいで父は最愛の人を失うことになった。
思考は巡りまわって一つの考えにたどり着く。
父は母を失う原因になった私を疎んでいる、と。

ああ、なんだ。すべて自分の所為だったんだ。
父が自分を見てくれないのも。
今の自分の環境も、当然の報いだったのだ。
父が見てくれないのは自分の所為だ。

目頭が熱い。
けれど涙を零すわけにはいかなかった。
自分に涙を流す資格はない。
一番泣きたいのは父であるはずなのだから。
ぐっと唇を噛み締めて溢れそうな感情に蓋をした。
静かに一息ついて、にこりと微笑んだ。

『はい、おとうさま。
 私、ウィスクムへまいります。
 一日もはやくファラネアの役に立てるよう
 たくさん知しきとまじゅつをえとくしますね。』

これは償いだ。
償いを終えた時に父は自分を見てくれる。
魔術を会得し、父と国に尽くせば、
前と同じように褒めてくれるに違いない。
その時が訪れることを夢見て、
姫君は一人、隣国へ旅立つ決意を胸に
執務室から出ていった。

だがもし、この時。
シセリスが執務室から出る間際、振り返っていれば、
父が何か言いたげな眼差しで
自信を見つめていたことを気づいたかもしれない。
眼差しに、その意味に気づけていたなら
あるいは別の結末を迎えていたのだろうか。

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