ID 2178
ユニット名 【泥濘の咆哮】スラッジ
CV 室 元気
レアリティ ☆6
最大Lv 99
タイプ シーフ
属性
HP 7463 2800 10263
攻撃力 2589 760 3349
防御力 1858 400 2258
スピード 2591 590 3181
リーダースキル 泥濘に差した光
[闘争本能]持ちユニットのスキル攻撃力45%アップ
フォーススキル1 毒獣の牙
Lv. 10 HP15%消費し、水属性の29%攻撃を20~30回連続攻撃。中確率呪い。
CT 5
フォーススキル2 泥濘の一撃
Lv. 10 水属性の166%全体攻撃。中確率呪い。敵が状態異常なら威力2.0倍。発動時、自身に3ターン毒を付与。
CT 4
特殊能力 闘争本能[強] / シンクロ / 呪い攻撃 / [強]パラディンキラー / [強]シャーマンキラー
主な入手方法 通常進化
進化・契約前 【放浪の剣】スラッジ
通常進化
進化素材
幻獣契約1 【濁流の牙】スラッジ
契約素材 【水獣王】サヴェジガスト×2、【粘性獣】ウロデラディダ×1、【徒花】アルラウネ×1、【魔湖の姫】ウンディーネ×1、100000ゴルド
幻獣契約2
契約素材
幻獣契約3
契約素材
幻獣契約4
契約素材
幻獣契約5
契約素材
実装日 2019年5月7日
ユニット紹介 『あいつに泣かされでもしたの?』

夜更けすぎ、エンラが尋ねると
ルイレンは拳で目を拭い『いいえ』とだけ言った。
手には彼がスラッジのために揃えた薬瓶が
いくつか握られている。

『そう……。言うつもりないの。
 じゃあスラッジに直接聞いちゃおうかな。』
軽くかまをかけるエンラに、
ルイレンが血相を変えて首を振る。
でも、知らないところでうちの弟を泣かされてちゃ
たまらないでしょ? と揺さぶると、ルイレンは
負けを悟ったのか、何度も他言無用の旨を添えた
うえで事情を語った。

彼が口にしたのは、スラッジの装飾の話だった。
体にいくつも空いた穴と通された金属、その由来を
フェンテから聞いたルイレンは、話に妙な部分が
あると感じ、スラッジに真相を確かめた。
ルイレン曰く、スラッジの言う集落は実在こそ
するが、スラッジたちの来た方向とは真逆の、
遥か遠くに位置している。スラッジの装飾の古さを
考えれば、その集落で開けられたはずがない。
なぜ、愛弟子であるフェンテに嘘をついたのか、と。

最初のうちこそスラッジは飄々とかわしていたが、
ルイレンが根気強く問い詰めると、とうとう音を
あげて真実を口にした。曰く、全てが嘘ではないと。

度胸試しをする集落のことは風の噂で知っていた。
さらに、この穴はすべて自らの手で開けたものだ。
この二つに関しては、フェンテを信じ込ませる
ために本当のことを言った。
そう語り、さらにスラッジは続ける。

嘘をついたのは、穴を開ける経緯だけだ。
この体に空いた穴は、実はフェンテに出会うまでに
経験した発作の数に等しい。
発作のたびに正気を失うような苦しみに襲われ、
それを紛らわせるために、みずから体に鋲を打って
穴を開けていたのだと。

『金具を通してんのは、開けた穴にせめてもの理由を
 与える気休めだ。ただ穴だらけになった手前の体を
 見てたって、気が滅入るだけだろうからよ。』

けど、そんなことあの姫さんには伝えらんねえだろ?

スラッジの言葉はそこまでエンラに伝えるころには、
ルイレンの声は震えていた。
そうしてルイレンは、スラッジの過去を詮索した
己が愚かだったと、拳を握りしめて自信を責めた。

『……あの子たちも、つくづく不器用なもんだね。』

エンラがぽつりと呟く。
たち、とルイレンが聞き返すと、エンラは
先ほどまでフェンテが相談に来ていたことを告げた。

『スラッジの嘘、あの子はとっくに気づいてたよ。』

それで、スラッジに語るつもりがないのならせめて
同じ痛みを自分も分かち合いたいという気持ちで、
フェンテは体に穴を開けると申し出たのだ。
そうエンラが続ける。

『結局、スラッジにもクーベルにも叱られて
 こっちに泣きついてきたんだけどね。穴を開ける
 以外で、あいつの痛みを知る術はないかって。』

そこまで言うとエンラは煙をふうっと吐き出した。

『知らなくってもいいのにね。あの子はとっくに
 スラッジの痛みを癒してるじゃない。』

エンラがからからと笑う。
対照的に、ルイレンは滂沱の涙を流し、
くぐもった声で相槌を打ったのだった。

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