ID 2177
ユニット名 【放浪の剣】スラッジ
CV 室 元気
レアリティ ☆5
最大Lv 70
タイプ シーフ
属性
HP 4463 2800 7263
攻撃力 1989 760 2749
防御力 1458 400 1858
スピード 1791 590 2381
リーダースキル 泥の記憶
[闘争本能]持ちユニットのスキル攻撃力45%アップ
フォーススキル1 呪われた牙
Lv. 7 HP15%消費し、水属性の27%攻撃を20~30回連続攻撃。中確率呪い。
CT 5
フォーススキル2 無頼の一撃
Lv. 7 水属性の151%全体攻撃。中確率呪い。敵が状態異常なら威力2.0倍。発動時、自身に3ターン毒を付与。
CT 4
特殊能力 闘争本能[弱] / シンクロ / 呪い攻撃 / パラディンキラー / シャーマンキラー
主な入手方法 セレクトチケット
進化・契約前
通常進化 【泥濘の咆哮】スラッジ
進化素材 大帝粒×30、蒼帝石×10、蒼帝晶×5、神帝晶×1、200000ゴルド
幻獣契約1 【濁流の牙】スラッジ
契約素材 【水獣王】サヴェジガスト×3、【粘性獣】ウロデラディダ×1、【徒花】アルラウネ×1、【魔湖の姫】ウンディーネ×1、200000ゴルド
幻獣契約2
契約素材
幻獣契約3
契約素材
幻獣契約4
契約素材
幻獣契約5
契約素材
実装日 2019年5月7日
ユニット紹介 『スラッジさん、それ……痛くないんですか?』

スラッジが耳から外した金具を手入れしていると
フェンテがおそるおそる尋ねた。

耳に限らず、彼の体にはいくつも穴が開いている。
そして、それぞれの穴に通った無骨な金属の輪は
彼の外見を一層禍々しいものにし、集落に住む
他の人間を遠ざける一因となっていた。

『別に……今更痛かねぇよ』

軽くあしらおうと口にしたその言葉がまずかった。
『今更』という単語にフェンテは顔を曇らせると、
では開けた時は痛かったのか、なぜ開けたのか、
そんなものをいくつも開けてどうするのだ、と
スラッジが答える間もなく尋ねた。

こうなった時のフェンテは面倒くさい。
それは彼女との旅でスラッジが得た教訓だった。
世間知らずで泣き虫のくせに、妙なところで
察しがよく頑固な、慈悲深い姫君。

そんな彼女にとって、目の前の何者かが痛みを
押し隠している状況は最も耐え難いものであり、
こちらが白状して何らかの助力を求めるまで
意地でも質問責めにしてくるのが常だった。

そうだ、前に熟睡しているこいつの陰でモンスターを
追い払って咬み傷を負った時もそうだった。
朝から晩までやれ何に咬まれたとうるさくて、
夜中に根負けして本当のことを言ったら今度は
私のせいだと何日も落ち込んで、仕方ねえから
でたらめの薬草を教えて取ってこさせたんだったか。

今回もうまい落としどころを見つけねえとなあ……と
スラッジが考えに耽っていると、聞いてるんですか!
とフェンテが吠える。スラッジはそれを軽くいなし
つつも、仕方なさそうに経緯を説明した。

曰く、体に穴を開けて金属を通す風習は、旅の途中で
流れ着いたある集落のものである。そこでは、
戦士となる若者が度胸試しで体に穴を開け、
その穴の場所が痛点に近いほど仲間の尊敬を受ける。
これはその集落に滞在する間、妙な輩に絡まれない
ように自分で開けたものであると。

そんなに多く開ける必要が……? と
フェンテが疑問を口にする。
しめた、とスラッジはほくそ笑んだ。
フェンテが疑問を口にする時は、話を信じ始めている
証拠だ。
あとは口八丁手八丁でいくらでも丸め込める。

実際、先の経緯は半分ほどが嘘だったが、もう半分に
真実を混ぜたおかげでどうにか信憑性を保てたよう
だ。

こういうものは一つだけ開けるのも百開けるのも
そう変わらない。一度痛みに慣れればいくつでも
開けられる。それで人避けができるのなら、これほど
楽なことはない。
スラッジはさらに言葉を並べ立てる。
一方フェンテは、スラッジの話の途中で急に黙り込み、
何かを考え込んでいた。

何やら嫌な予感をおぼえたスラッジが
どうしたのか尋ねる。すると、
フェンテは心を決めたように顔を上げ、
高らかに宣言した。

『決めました、スラッジさん!
 私もスラッジさんと同じ数の穴を開けます!』

待て待て待て。どうしてそうなった。

スラッジは慌てて引き止めたが、フェンテは頑として
譲らない。聞くと、自分も痛みに強くなりたい、
それに、たくさん開けたら姫としての威厳が出るかも
しれない、と大真面目な表情で答える。

『剣の振りすぎでヤキでも回っちまったのか!?
箱入りの娘さんを傷物にできるわけねえだろ!』

スラッジがたまらず叫ぶと、
遠くで槍の閃く気配がした。
『傷物』という言葉だけを聞きつけたクーベルが
スラッジに襲いかかるまで、あと数秒である。

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