ID 1841
ユニット名 【旧き呼声】クトゥルー
CV ???
レアリティ ☆6
最大Lv 99
タイプ 魔族
属性
HP 7494 2800 10294
攻撃力 1755 320 2075
防御力 2023 480 2503
スピード 2348 640 2988
リーダースキル 深海満たす混沌
[魔族]のユニットの攻撃力を40%アップ
フォーススキル1 氾濫する滅び
Lv. 10 水属性68%攻撃を6~8回連続攻撃。中確率CT1遅延。1ターン後に発動。
CT 3
フォーススキル2 星の深淵に眠るもの
Lv. 10 水属性77%全体攻撃。天候を深淵にする。[深淵]:付与効果の発生を無効化する。
CT 3
特殊能力 2回行動[強] / ボルテージ / 飛行 / 火属性キラー
主な入手方法 通常進化
進化・契約前 【深潭を生む者】クトゥルー
通常進化
進化素材
幻獣契約1
契約素材
幻獣契約2
契約素材
幻獣契約3
契約素材
幻獣契約4
契約素材
幻獣契約5
契約素材
実装日 0年0月0日
ユニット紹介 [ある詩人の現実]

再び私は目覚めた。
しかし、目の前に広がっていたのは
変わり映えのない小部屋の景色だった。
どうやら、私はまだ夢の中にいるらしい。
海水は相変わらず部屋を満たし、私はその中に
浮かぶでもなく沈むでもなくたゆたっている。

私は退屈の耐えかね、少し手足を動かして
ただひとつ開いた小窓の傍へと泳ぎ寄った。
そういえば、何度も見た子の夢で私は一度も
窓の外を確認しようとしたことがなかった。
一体どのような景色が広がっているのだろうか。

私は窓の外を覗き、思わず息を呑んだ。
そこに広がっていたのが、どこまでも緻密に
作り上げられた巨大遺跡だったからである。

螺旋のようにねじれた建造物が奇怪に絡まり合い、
茨のように入り組んだ都市を形づくっている。
その間をどちらが表裏ともつかない階段が繋ぎ、
そこかしこに築かれた祭壇は天を突くように伸び、
或いは海底をも穿つように深く根を下ろしている。

どうやら、私のいるこの小部屋がこの名状しがたい
遺跡都市の奥へゆっくり沈もうとしているらしい。
私はさらに窓の外を調べるべく身をよじる。
窓は絶妙に私の肩よりわずかに狭く見える隙間を
その部屋に空けていた。うまく身を縮めれば、
肩から上だけでも窓の外に乗り出せるかもしれない。

くぐもった管楽器のような音が海を揺らしたのは
私が窓から半身を出そうとしたその時だった。
それは私のいる遥か下から轟くように響き、
鮫とも鯨とも違う巨大な何者かの存在を感じさせた。
その不快な音響に私はすぐ窓から離れ耳を塞いだが、
それでも肌を粟立てるような感覚はしばらく続いた。

ようやく音が止んだ頃、
私はふと部屋が暗くなるのを感じた。
窓のあった場所を見ると、何かが外側を塞いでいる。
私はそれを調べるため、窓の近くへ手足を動かした。
明かりがほとんどないために、私は窓を塞ぐ何かの
すぐ近くまで顔を寄せ、じっくりとそれを検分する。

その何かは、ゼリーのように半透明の柔らかいもので
できているようだった。その奥には同じ材質でできた
膜がもう一層あり、時折向きを変えるように
不規則に動いている。

これは目ではないか。

そう気付いた瞬間、私の考えを肯定するように
奥側のゼリー層がぎゅっと収縮した。
部屋の小窓に眼球をつけて私を覗き込んでいる何者
か。
その目ひとつですら全容を捉えきれないほど、
それは巨大で未知である。

私は叫び声をあげ、窓と反対側の壁へ一息に逃げた。
しかしその目はなお私の姿を捕えている。
この部屋のどこへ逃げても、この巨大な存在の
視界から失せることは難しいように思われた。

ならば、この夢ごと。
私は目を閉じ、現実へ戻れることをひた願う。
しかし何度目を開けても、そこにあるのは
暗い海水と巨大な目だけで、いっこうに
私を現実へ戻してくれる者は現れなかった。

そのうちに、私はある恐ろしい仮説へたどり着いた。
私が夢だと思い込んでいたこの空間は、もしかすると
ずっと前から現実だったのではないだろうか。

海に沈みゆく匣の中で私が正気を保てたのも、
水中にも関わらず呼吸の心配をせずにいられたのも、
私がこれを夢だと信じていた、
ただそれだけの理由だったのではないだろうか。

そう考えた瞬間、
海水がごぼりと口に飛び込んだ。

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